本『「かくれんぼ」ができない子どもたち』

「かくれんぼ」ができない子どもたち

「かくれんぼ」ができない子どもたち

 本のタイトルからは、子どもへの否定的な見方が予想されますが、実際の内容は、子どもの遊びをめぐる、大人、大人社会の関わりが読み解かれたものとなっています。
 そこから、「社会的親」の重要性が言われます。地域の子どもに対する、親、大人の関わりを深める仕掛けが、文部科学省により全国に展開されている「放課後子どもプラン」の活用や、親子プログラムなどの実践例から描かれています。

 その他にも、「自分のことは自分でしない」というキーワードが出てきます。子どもに対する、「自分のことは自分でしなさい」ということの徹底が、人にものを頼んだり、頼まれたときに引き受けたりするといったコミュニケーションを貧しくしているというのです。
 具体的な例として、みんなで食事をしているときに、「お醤油とって」という一言が言えない子どもが多くなっていると言います。
 そこで、著者が関わるキャンプ・プログラムでは、「人のお世話をする」ということを、遊びに転換しながら体験していくことが組み込まれます。そうすると、子どもはとてもいきいきと、人への配慮も考えながら、活動していくというのです。
 実際、私自身も、近所の子どもたちと少し関わりますが、何か役割を持ったり、人のためにしてあげたり、といったことはとても好きなのだという実感があり、著者の言うことに共感を持ちました。

 「生きる力」というのは、「人とともに生きる力」なのだという哲学の具体的実践です。

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