内田樹 「教育の危機と再生」より

僕はもう学校を退職した人間ですけれど、今は道場と私塾を開いて、地域的なかたちで教育活動を継続しています。これから学校教育の空白部分を補うかたちで、「私塾的なもの」が同時多発的に日本各地で創り出されてゆくだろうと僕は予測しています。身銭を切って、自分の手でささやかな学びの場を作れば、とりあえず、そこではどのような教育方法を試みることができるし、いつまでも気長に待つことができる。そういう私塾的教育機関が学校教育、公教育を側面から支援するという形での教育活動を展開することが必要だろうと僕は思っています。おそらく同じような志を持っている人が、今の日本には、何千人何万人という規模で潜在的には存在すると思います。そういうローカルで、独立的な教育活動とゆるやかに連帯するかたちで僕は日本の教育の再生に協力してゆきたいと思います。
内田樹 「教育の危機と再生」 http://blog.tatsuru.com/2012/03/19_1142.php

 僕たちが自宅で開設している交流スペース〈eトコ〉でのささやかな活動も、そのような「志」に連なるもののひとつとして、教育活動を展開する場にしてゆきたいと思っています。

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