「なぜ」を問わないかかわり

 最近、興味深い文章を読みました。中田豊一さんによる「対話型ファシリテーションの手ほどき」です。(『小児看護』という雑誌に22回にわたって連載されたもの。中田さんは、国際協力の世界で活躍されている方です。)

 コミュニケーションの質を上げるための対話型ファシリテーションの手法とは、「なぜ、どうして」と聞かずに、「いつ、どこで」という質問におきかえるというものです。

 私たちは、「なぜ」と問われると、事実ではなく、自分の考えを述べてしまう傾向があるといいます。わかりやすく言えば、言い訳をしてしまう、ということですね。あるいは、言い訳でなくても、「・・・と思う」と答えます。

 そうすると、事実ではなく、考えや思い(思い込み)に沿って、話が展開してしまいます。そうではなく、直近にあったことを「いつ、どこで」と聞き込むことで、聞かれた方は、具体的に事柄を思い出し、自ら気づきをうみだしていくというのです。

 具体例までご紹介できませんが、皆さんは思い当たるところがありますか?

(eトコ情報通信 2014年5月30日号より転載)

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