大阪市廃止・特別区設置の2回目の住民投票は、私の見込みと違って否決されました。
1回目と同様、僅差の結果でした。投票行動の傾向については、どなたかが分析されるかと思います。大阪市廃止後の破局的な展開を予想していたので、ひとまずほっとしました。
第1回目の時と同様に「もう挑戦しない」と大阪維新の会のトップが言っています。聞き覚えのある言葉です。
しかしすぐに、その大阪維新の会の議員からは「3回目の挑戦に向けて」との発言、そして条例制定によって大阪市の税財源を大阪府に移管する案や、考慮しないとされていた「総合区」案があらためて出てきています。
行政のしくみをいじれば大阪が何とかなるという発想自体が「官」だのみで、そこに生活者の視点はありません。もはや制度を変えること自体が自己目的化しているとしか感じられないのです。
大阪維新の会のスローガンは「大阪の成長を止めるな」でした。しかし大阪府・大阪市の首長が大阪維新の会のメンバーになっておよそ10年、この間に県内総生産(GDPの都道府県版)では、大阪府は愛知県に抜かれて3位となっています。(個人的にはGDPという指標だけで地域の優劣をつける必要はないと思いますが。)
商都・民都としての矜恃もなく、インバウンドか万博かカジノに頼って、ついでに行政のしくみも変われば何かが変わるのではないかという期待・・・。大阪市廃止案は否決されましたが、なんとも未来のない話です。
しかしだからこそ、自分の足元の小さなところで、生きやすく住みやすい人と人の関係性をつくっていくことが大切になると思っています。