【大阪市「消滅」住民投票】 大阪市廃止案の否決とその後
大阪市廃止・特別区設置の2回目の住民投票は、私の見込みと違っ …
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「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」・・・かつて大阪府知事だった橋下氏が公言していたように、大阪市廃止の住民投票の本質は、政令指定都市である大阪市の権限、税財源を大阪府に吸収することにあります。
高齢者福祉は新たな4つの自治体がそれぞれに担いますが、「介護保険」は担いません。
わかりにくいのですが、介護保険は新たにできるもうひとつの自治体(のようなもの)が担当します。大阪市を4つに分割して、さらにもうひとつできる自治体(のようなもの)が「一部事務組合」です。
生活に身近なところでは、社会福祉協議会という組織があります。現在は、大阪市社会福祉協議会、24行政区(地区)社会福祉協議会が社会福祉法人格をもって活動されています。
社会福祉協議会は民間団体ですが、社会福祉法に規定されていて、2以上の自治体の区域にまたがって活動することも可能とされています。ただし、大阪市が廃止され、新たな4つの自治体ができた時に、現在の市及び24行政区(地区)社会福祉協議会がどうなるのか、わかりません。
大阪府・大阪市の副首都推進局が作成した「特別区設置における財政シミュレーション(一般財源ベース)」がホームページで公表されています。
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000511466.html
この資料の27ページの表を掲載します。
大阪市の今年度の税収が当初見込(7420億円)より500億円ほど減少する見込であると発表されました。
約500億円減少へ! 来年度の大阪市の税収 都構想「財政シミュレーション」への影響は
ABCニュース 関西ニュース 2020/09/09 https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_7823.html
大阪市の歳入(平成30年度決算)の42.9%を占める「市税」のうち、29.5%を占める「固定資産税」「都市計画税」「法人市民税」「事業所税」は大阪府に移管されます。
とりわけ、16.5%を占める「固定資産税」の移管は大きく、このことは、新たな4つの自治体の住民にとって、2つの課題をもたらします。
大阪市を消滅させて、あらたな4つの自治体をつくるための経費は、初期コスト(イニシャルコスト・当初のみ)241億円 運営コスト(ランニングコスト・毎年) 30億円 と試算されています。
問題は、実際にこれで移行・運営できるかどうかです(この金額そのものの妥当性はまた考えたいと思います)。
大阪市を「消滅」させるかどうかを決める住民投票を実施することが、大阪府議会・大阪市会で決まりました。
投票できるのは、大阪市民です。大阪市民以外の大阪府民は対象ではありません。
また、この投票で賛成が多数となっても「大阪都」ができるわけではありません。大阪府は大阪府のままで、政令指定都市である大阪市を廃止して、4つの新しい自治体に分割することになります。