20〜59歳で未婚の人のうち、仕事をしていないだけでなく、ふだんずっと一人でいるか、そうでなければ家族しか一緒にいる人がいない人たち。
上記のような「孤立無業者」が、2011年調査では、162万人に達しているそうです。
さらに、この孤立無業は、2001年からの10年間で、80万人近くも増えていたといいます。つまり、ここ最近の顕著な傾向だということです。
さまざまに統計的に分析が進められるのですが、例えば、(一般的な想定と反して)インターネットの普及が孤立無業の原因とはいえないこと、また、孤立無業者がテレビゲームやインターネットに特に熱中しているわけではないことなども示されています。
注目すべきは、(当たり前のことかもしれませんが)中学時代に親友がいた人の方が、いなかった人に比べて、孤立無業になっている確立は有意に低いと確認されていることです。(=孤立無業者には、中学時代に親友がいなかった人が多い。)
また、同様に中学時代に、家族や学校・塾の先生以外に、ふだん話をする大人がいたという記憶を持つ人ほど、孤立無業になりにくいのです。(=孤立無業者には、中学時代に、ふだん話をする大人がいなかった人が多い。)
一方で、中学時代にいじめを受けた経験がある人ほど孤立無業になりやすいといった有意な傾向は見られないということです。(=いじめが、孤立無業に対して、統計的に意味のある差をうみだしてはいない。)
このような調査、統計分析から、孤立無業の予防に向けた取り組みとして、子どもの頃から多様な人々と出会い、学び、経験する機会を一層充実させることが必要だとされています。
その他にも、孤立無業を「一人型」と「家族型」に分類して分析されており、「家族」の関わりの難しさを考えさせられる内容となっています。