【質問】 「大阪都構想とか特別区とか、よくわからない」「大阪都構想には基本賛成だけど、今の特別区設置協定書案には反対」「大阪都構想には反対だけど、大阪市が今のままでいいとも思えない」などといった立場がありえます。そんな場合は、特別区設置住民投票で、どのように対応すればよいでしょうか?
【答え】 今回の住民投票は、提案されている「特別区設置協定書」に関して賛成か反対かを示すシンプルなものです。
反対だからといって対案を書く「備考欄」などはありませんし、対案を示す義務はありません。単に、賛成か反対かを書くだけです。
賛成する場合は、現に提案されている「特別区設置協定書」への賛成であって、「大阪都構想」という理念への賛成でもありません。
よくわからない場合は、一層の説明を求めることになりますが、短期間に十分に理解を深めることはかなり困難なことかもしれません。
ですので、「大阪都構想には基本賛成であっても、今の特別区設置協定書案がまだよくわからない/もっと説明が必要/もっと改善すべき」と思うなら、反対票を投じることになります。
住民自身が十分に理解できていなかったり、制度設計そのものが不十分であったりするなら、もっと時間をかけて議論をすればよいことだからです。
「大阪市が今のままでいいとも思えない」場合はどうでしょうか。住民投票で反対票を投じることは、改革の否定や、これまでの大阪市を問題なしとみなすことになるのではないか、というおそれを持つ人もいるかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、今回の住民投票は、提案されている「特別区設置協定書」に関して賛成か反対かを示すシンプルなものです。住民投票で反対したからといって、現状の大阪市を肯定することにはなりません。
特別区設置に反対したうえで、大阪市の現状を改善していくための議論を継続することはありえるし、当然に必要なことでもあるでしょう。
では、「大阪都構想も特別区もよくわからない」場合はどうでしょうか。これは、一般的な契約になぞらえて考えるのが良いでしょう。
何か契約をするとき、十分に説明もされていなかったり、内容がよくわからなかったり、そもそも契約金額すら書かれていなかったりすれば、簡単にはんこを押したりはしないでしょう。それが良識ある大人の普通の態度だと思います。
わからない場合はGOサインを出さずにひとまず保留する、ということは、現状ではまだ契約しない、ということを意味します。従って、この場合は、ひとまず反対票を投じるのが妥当ということになります。
ほんとうに必要なことがらであれば、時間をかけて十分に理解を深めたうえで、再度検討していくことになるでしょう。