目的や理想のためには、どんな手段も許される、という考え方は、テロリストの考え方です。
しかもそのような考えに基づく行動が、行政府(国家という権力)によって、手続き的な正当性を経ることなく、行われようとしています(強行採決)。
強行採決されようとしている安保法制は、国の最高法規である憲法に違反している疑いが極めて高いものです(憲法違反。その場合、その法は効力を有しない)。
「憲法とは、国家権力への国民からの命令である」とされています。
つまり、国家権力を国民がコントロールするために、憲法があるのです。
国家権力が、憲法に基づき設定されている手続き的な正当性をふみにじり、憲法の内容に違反する法律をつくるのは、二重に問題があるということになります。
この事態は、日本が近代憲法の理念を実質的に捨て去り、つまり、明文化された国の原理・原則を捨て去って、合理的なルールのない国(例えば、独裁国家など)になることを意味します。
「立憲主義に基づく近代国家としての日本」に対する、「政権による」クーデターですね。
これこそ、「国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う」日本の国益を、とめどなく損ない、その地位をおとしめてしまうことになると思います。